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「ケジメのない日本語」影山太郎

ケジメのない日本語

「溺れたけど、助かった」

これは自然な日本語表現。
一方これに対し、「溺れる」を意味する英語のdrownでは、「溺れたけど、助かった」(The boy drowned in the lake, but he was saved.)と言えない。これは誤った英語。なぜなら、drownは「溺れて、結果的に死んだ」ことまでを意味するから。つまり、「溺れて死んだが、助かった」とは言えないから、ということ。

同様に、日本語の「説得する」は一生懸命説得した結果相手が納得してくれたかどうかは分からないが、英語で「説得する」を意味するpersuadeは「説得して、結果的に相手が考え方を変えた」ことまでを意味する。

「ケジメのない」とはなんとも挑戦的なタイトルだけれど、こんな風に「動作の結果的にどうなったか分からない」日本語をこの本では「ケジメがない」と呼び、英語と比較しながらこの違いを深く深く追求していく。

この一点にテーマを絞って色々な角度から徹底的な掘り下げていく本著は、自分の中に存在する(長いこと眠っていた?)知的好奇心を刺激してくれる。日本語はもちろん、英語の勉強にもなる。

この違いには文化の違いも象徴されていそうだなー。・・・だけれど著者はさすがに学者、下手な推論は出さない。ここがまた職人的で渋いっ。一点をとことん追求することの魅力に浸って下さい。


ちなみに、次に書くようなのはケジメのない日本語ではないのでご注意を。

「確かにあの女性と一緒に歩いていたけれど、浮気はしてません」

・・・これは使う人間のほうにケジメがないだけです。(本書にはこんなしょうもない例文はないのでご安心を・・・。)


ケジメのない日本語/影山太郎/岩波書店
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