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「思考の整理学」外山滋比古

思考の整理学

「東大・京大で1番読まれた本」という挑発的(?)な惹句付きの文庫本、つい先ほどびっくりしたのだが、Amazonでの売上が10位になっていた。そんなに売れてるのねん。なんせ1983年、今から26年前の著作である。(文庫化は1986年。)怒涛のロングラン。(「東大・京大で1位」と書くより「Amazonで10位」と書いたほうが強力なのに!・・・というのは私的な感想なのでまあそれはよいとして)

自分の頭で「考える」ことについての連作エッセイ。一つ一つが6ページにまとめられていてすっきり読み易い。一つ一つ読み切りでありながら、全体が有機的に連なり、一つの流れを成している。

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「ただ、これからの人間は、機械やコンピューターのできない仕事をどれくらいよくできるかによって社会的有用性に違いが出てくることははっきりしている」(本文より)
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もう一度言うが、26年前の作である。
高度経済成長やらバブルやらで仕事も景気も潤っていた時代に既に、IT化によって単純作業が次々と削減されていく現在を予見していたようだ。親切にも、「サラリーマンは思いもかけぬ強敵の出現に、もっとおどろかなくてはならないはずだ」とまで警告している。(強敵=コンピューター)
そして世界はその通りに進歩した。
よくも悪くも単純作業の淘汰が進み、人々の仕事は奪われていっている。

進歩は加速を続けている。Google検索エンジンの登場により、たとえば「物知りであること」の価値は相対的に大きく下がった。検索すれば何でも手に入るからである。ギャル語もカレーの作り方も明日の天気も瞬時に検索できるインターネットは、分厚い百科事典よりも既に物知りである。そんなものに人間の脳味噌が敵う道理はないのだ。
・・・少なくとも記憶力においては。
そう、人間にも勝てる分野がある。それは人間にしかできない思考である。
この本質は26年経った今も変わらない、というより、より顕著になった。
色褪せない、どころか今後ますます輝きを増していくであろう、古くて新しい名著だと思う。


思考の整理学/外山滋比古/ちくま文庫
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