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「お嬢さまことば速修講座」加藤ゑみ子監修

お嬢さまことば速修講座

「講座」と冠されているが、これは、講座の体を取った一まとまりのユーモア本である。大傑作である。

タイトルの通り、「お嬢さまことば」をテーマにした本の体裁を取っているのだが、ときに過剰だったり、非常識だったりして、「おや?」と思わせる。それが小気味よく笑いを誘う。・・・これは決して穿った見方でも皮肉でもない。その証拠に、途中、下記のような表現が現れる。

「(略)・・・それまでになさっていた美しいことばづかいをたちまち、ぶち壊して、失礼いたしました、台無しにしてしまいます。」

笑ってよいのである。笑って下さい、というサインなのだ。
「ぶち壊して、失礼いたしました、」と書くところがつまり「皆さんお気づきの通り、この本はユーモア本ですよ」ということをアピールする大ヒントなのである。そしてここを読み、「ああ、これはやはり笑ってもよい本なのだ」と気付かされ、安心するのだ。
この視点になれれば、もうこっちのもの。以降「おや?」に出会うとたちまち爆笑できる体質に変化する。
例えば、「お」をつける言葉に関しての説明で、「お紅茶ではなく、コーヒーをいただきたいときは、何と言ったらよいのでしょうか?」という質問に対しての回答が、「コーヒーではなく、お紅茶を召し上がるのが、お嬢さまでございます。」なんて最高に面白いではないか。

ユーモア本は好きなのだが、「爆笑!」なんてタイトルに付けているものは却って全然笑えなかったりすることが多々ある。その点、この、極めて引きの姿勢から高度に笑わせるスタイルは貴重だ。この点において非常に「上品」である。この奥ゆかしいユーモアこそ品があると呼ぶに相応しい、ということ。

笑いを前面に押し出さないユーモア本というのは、「最後の一行で大どんでん返しがあるミステリを読みたいが、事前にそれと知って読むと、あまり驚けない。だから、探せない」のと一緒で、その性質により探すことが難しい。そんな一冊に出会えたことが幸せだ。
この一歩引いたところからの笑いに興味がある方に自信を持ってオススメしたい。


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