「投資の極意は「感謝のこころ」」竹田和平・澤上篤人

「投資だの株だのなんて、お金を動かすだけで何も実体を生み出さない、あぶく銭を儲けたい人がするギャンブルだ!」
・・・なんて思っている人、そこのあなた!ぜひこれを読んでほしい!
こりゃー衝撃だ。だって、これを書いてる私自身が、冒頭のような「投資=実体のない空虚なもの」と思い込んでいた一人だから。久々に、後頭部をハンマーで殴打されたような衝撃を味わったよ、こりゃ。後頭部をハンマーで殴打されたことないけど。
日本一の投資家竹田和平氏と、さわかみ投信の代表取締役澤上篤人氏の、世界への愛に溢れた対談集。
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私と同じくらい経済に疎い人のために無理を承知であえて説明すると、株式会社ってのは、投資家から資金を集めて、集まったお金で事業をやって、儲かればその分を投資家に還元する。損をすれば、投資家も損をする。この資金集めの単位が株。投資家が100円で株を買って、その会社が成長すると、例えば株の値打ちが110円になる。この10円が、投資家の儲けになるのだ。
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株価の上下に目を光らせて、安くなったら買って、高くなったら売って、っていうのは自分には縁のない話だと思っており、この手の話題にはてんで興味が無かった。
・・・が、これを読んで考えが変わった。
株価が下がったときに投資するのは、その会社にお金を差し出して社会のためにがんばってもらうことだ、なんて話が出てくると、自分の考えがいかに浅はかだったかが分かる。
元々の投資ってのは、「これからがんばって日本を、世界をよくしてくれる人たちのために、軍資金を提供してあげる」ようなことなんだな、という実は当たり前のことに気付かせてくれる。でも、こんな基本的なことも、日々のやれ株価が上がったの下がったのなんてニュースを見ているとうんざりして見失ってしまう。
ということで、投資ってのは実に人間味にあふれた行為なんだな、って否が応でも思わされてしまった。実際、竹田和平氏は自らを「旦那」と呼ぶ。がんばる人の為に自分のお金を気前よく差し出す「旦那」なのだ。
繰り返しになるけれど、投資とか興味ないーとか思っている人にこそ読んでほしい。
・・・思わず、自分には縁がないと思っていた「経済・金融」なんてカテゴリを立ててしまった・・・。ちょっとかっこいい、ふふふ。
(ド素人なので、金融関連の記述内容に誤りあればご指摘を・・・。)
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