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「ニューヨークの魔法は続く」岡田光世

ニューヨークの魔法は続く

先日ご紹介した"「ニューヨークのとけない魔法」岡田光世"の残した爽やかな快感に魅了され、もう一冊手に取った。

ここにもやはり、孤独な大都会ニューヨークでふと交わされる、人々との温かくそして爽やかな、刹那の交流のエピソードが溢れている。バスを逃して困っているとパトカーで送ってくれる警官、こちらのメニューを勝手に決めてしまうイタリアンレストランのウェイター、地下鉄に宇宙人のような格好で乗り込んできて物乞いをする男性、など描かれる人々の多様性・温かさはここでも健在。

とりわけ終盤第4章・第5章にかけての完成度とテンションは素晴らしく、一つ一つ読み進めるにつれ、なんだか幸せな気分になり過ぎてびっくりしてしまった。・・・よくわからんが、幸せな気分になり過ぎてびっくりしたことにびっくりした。その中でもさらに、筆者の、飛行機嫌いのお母さんが文句を言いながらニューヨークに来るエピソードなんて最高。アメリカの悪口を言ったり、ニューヨークに住む筆者を非国民(!)とまで言ったりするお母さんなのだが、その言動には終始娘への愛が見え隠れし、最後にはホロリと泣かされる。

前回の記事ではニューヨークの人々の触れ合いの素晴らしさだけにスポットを当てたのだが、こうして読んでいると、この爽やかな触れ合いを成立させ心地よいものとしているのは、筆者の温かい物の見方によるところが大きいんだな、と思えてくる。
あとがきを読んでいると、「ニューヨークのどこがやさしいの!」という人もいるようなので、やはり人それぞれなのだろう。人々の個性と魅力をここまで引き出しているのは、やはり著者の観察力、心持ち、そして著者自身の魅力でもある。

心を開けば相手も心を開いてくれる。
そこから触れ合いが生まれるのだろう。
見知らぬ他人と会話を始めるチャンス・文化など殆どない日本に今住んでいる私だが、無理と諦めるのは損である。自分が何もしないのに、「周りが何もしてくれない!」と憤るのは怠慢であり傲慢である。
もう少し、心を開いてみたいな、という気分になった。


ニューヨークの魔法は続く/岡田光世/文春文庫
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