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「女房を質に入れるといくらになるのか?」永野良佑

女房を質に入れるといくらになるのか

なんとも挑発的(?)なタイトルだが、これは江戸時代の川柳「女房を 質に入れても 初鰹」をもじったもの。投資理論・会計理論を、結婚や、子供をもうけることといった一般的に「お金で買えない」とされていることに当てはめていく、試みの一冊。

「子供を育てるのに2000万円かけて、将来的にその子供が成長して出世して3000万円返してくれたら投資としては成功」なんていう、ちょっとドキッとする話も出てくる。
・・・でも、この著者は決して血も涙もない金勘定マシーンではない。むしろ逆だ。
冒頭にこんな言葉がある。

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しかし、社会科学系の分野も自然科学と同じで、突き詰めると、人間がどうやったら幸せになれるかを関心の対象としていることは間違いありません。
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根底にあるのは、投資理論を人生に応用して楽しんでみる好奇心である。
こんな風にあらゆる事象を金勘定して、お金のありがたみを説きながらも、著者は再三にわたって「お金で買えないこと」の価値を強調する。

うーむ、だからこそリアルな説得力があるのだろうな。
割り切れないのである。お金の話に拒否反応を示す人にとっても、冷静に考えてみることはやっぱり大切だと思う。そんな意味で、「世の中金が全て」みたいな意見に賛成する人も反対する人も、それぞれの立場で楽しめる本だと思う。

・・・ここで冷静に我が身を振り返ってみると、随分おかしなお金の使い方をしてきたなーって思う。
100円をケチることもある一方で、ウン十万円をドブに捨てるような使い方もしたり。広ーい意味での投資額(つまり、たとえば「楽しみのために使った」みたいなのも含める)を考えると、決して回収はできていないと思う。
でも、なんだかんだで損得考えずに費やした金が誇らしかったりするんだよね。人間を豊かにしたんだぞ、みたいな。えへ。
・・・と、どんな意味であれ、こんなふうにお金のことを考えさせられることに意義があると思うのです。


女房を質に入れるといくらになるのか?/永野良佑/扶桑社新書
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「「未納が増えると年金が破綻する」って誰が言った?」細野真宏

「未納が増えると年金が破綻する」って誰が言った?

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例えば、経済のニュースが難しくてよく分からないという声は本当に多いのですが、それは情報の「本質が」見えていないから、複雑に思えてしまっているだけなのです。
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難解な数学を、分かりやすく説明するカリスマ予備校講師の著者には、かつて学生時代に数学の書籍でお世話になった。難しい数学の概念を、イラスト入りで分かりやすく説明する手腕が卓越しているのだ。そんな著者による、分かりやすい解説力を経済分野に活かしての一冊。イラスト入りで分かりやすく経済を説明する。

大切なのは「数学的思考力」であり、これを応用すれば数学とは別分野と思われる経済の現象を理解することも容易と著者は主張する。
ちょうど数学が、膨大な暗記をせずとも基礎知識の組み合わせと応用で問題を解けるように、世の中の現象も、細かい個々の事象を暗記せずとも、論理的な思考力さえあればそれらの結び付きを思考で補い有機的理解することができる。

経済関連のテーマは大きく分けて3つ。
1.宝くじの「よく当たりが出る店」について
2.「年金未納問題」について
3.アメリカサブプライムローンについて

いずれも分かりやすく解説されており、特にタイトルにもなっている「2.」は、「おおっ!そういうことだったのか!」と感激した。・・・もともと年金についてよく理解しているわけではなかったのだが、だからこそ、いかにマスコミの情報に踊らされることが危険かが分かった。・・・そう、マスコミの、いたずらに危機意識を煽るやり方に警鐘を鳴らしてもいるのである。
詳しくは読んでみて納得してください。

受験が終わってもお世話になる細野先生。また他の本も手にとってみたくなった。


「未納が増えると年金が破綻する」って誰が言った?/細野真宏/扶桑社新書
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「スタバではグランデを買え!」吉本佳生

スタバではグランデを買え!

「同じペットボトルのお茶でも、なぜ店によって売られている値段が違うのか?」から始まり、価格にまつわる身近な謎を、分かりやすく解き明かしていく一冊。なおタイトルの「スタバではグランデを買え!」は随分と過激だが、これは、「スタバでは、価格の異なる商品でもグランデ(大サイズ)に換えるときの追加料金は必ず100円なのはなぜなのか?」を扱った話題にまつわるもの。

キーワードとなるのは「取引コスト」。
我々は買い物をするときに、直接的なコスト、つまりお金の他にも様々なコストを払っている。具体的には、時間や労力といったもの。「隣町まで行けばジュースが10円安い」と知ったときに、自転車漕いでがんばって出かける人もいれば、10円高い自分の町で済ませてしまう人もいるだろう。これは、「隣町まで行く」という労力・時間のコストを10円と比べており、10円のためにそのコストを払えると判断した人だけが隣町まで行けるからだ。

確かに疲れていて1分でも早く家に帰りたいときなんかは、少々安いもののために遠回りしたりしないよなー、と。

そして、「価格差別」もキーワード。
これは、「高く買ってくれる人には高く、安くしないと買わない人には安く売る」というもの。
高く買ってくれる人といっても、ダイレクトに「本当は1000円でもいいけど、できれば1500円で買って下さい」と言っても勿論誰も買ってくれない。そこで売る側は色々な工夫を凝らす。
例えば時間での差別。ヒットして間もない映画のDVDを売るときに、まずは豪華特典などをつけ、高い価格で売る。「少しでも早く手に入れたい」「特典がほしい」ファンは、この時期に買う。しかし、この価格設定のままでは、「ほしいけど、高いお金は出したくない」人には売れない。そこで、ある程度の時期が経ったら価格を下げる。これによって、「高く買う人には高く、安く買う人には安く売る」を実現できる。しかも高く買った人は「早く手に入れる(+特典を手に入れる)」というメリットを享受出来ているので公平と言える。

・・・というもの。
そう言えばアイスの棒の当たりが出たときって嬉しいけど、小さかった頃は無邪気に換えてもらえたのが、大人になるとなんだか棒一本出すのが恥ずかしくて換えてもらえないよなー。これも、「その恥ずかしさを乗り越えた人だけに安売り(無料渡し)する」という価格差別かも知れない。安く買うためには、10円値引き券を束にして出したりといった努力(「なんだか恥ずかしい」という取引コスト)も欠かせないのだった。


スタバではグランデを買え!/吉本佳生/ダイヤモンド社
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「年収200万円からの貯金生活宣言」横山光昭

貯金生活宣言

けっこう前に読んだのだが、「90日で身に付く貯金プログラム」を謳っている本なので、自分で実験してみるまでレビューを書くのは待とうと思っていて、そして、今あらためて報告を書きます。

お金を貯めようと思ったら、収入を増やすよりまず簡単に始められるのは、ムダな支出を減らすこと。
日々の支出を「消費」「投資」「浪費」に置き換えて記録していく。
今まで、もっと細かく項目分けして記録したことはあるんだけれど、それに比べ、この「消費」「投資」「浪費」ってのはとても分かりやすくてよい。細か過ぎると逆にムダな出費がどれだけあるのか分からなくなってしまうので。

取り敢えず、本に従い、これをやってみた。・・・やってみたら、いやー無駄な支出すなわち浪費の多いこと。
これってちょっと前に話題になった「レコーディングダイエット」と同じだね。「あー、こんなに食べてたんだ」っていう。んで、浪費を削っていくんだけれど、今まで「これをやめるわけにはいかん」と思っていたものも結構思い込みだったりして、意外と削れます。そして、一ヶ月・二ヶ月と経ったときに、数字を見て、それが実感に変わり、そして次第に節約が快感に変わる。
ダイエットも、目の前にある食事の量を減らすのは辛いけど、しばらくしたら体重が減ったことが数字で分かって楽しくなって、そうなると食事を我慢するのも楽しくなっていく。サイクルが似てるね。

こういう本に従うときに、紹介された手法をそのままなぞるってのも一つの考え方だけれど、個人的には、各々の事情に応じてアレンジしちゃってよいと思う。「何にいくら使うか」なんて割合は人それぞれだと思うし、或いは、「パソコンを使うより紙とペンを」なんて書いてあるけれど、これも個人的にはパソコンのほうがやりやすいのでパソコンでやっている。着色や集計にも間違いがないし。
少しやってみれば自分に合った方法が見えてくると思うので、気軽にアレンジするのが続けるコツかも。

体がスリムになると生活が楽しくなるように、出費がスリムになるとこれもまた生活が充実してくる。これは「ケチ」とは別のもの。ムダを押さえて、必要なところには気持ちよく使いましょう。まだまだこれからだけれど、上手く続けばある意味「人生を変えた一冊」になるのではないかしらん。


年収200万円からの貯金生活宣言/横山光昭/ディスカバー


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「投資の極意は「感謝のこころ」」竹田和平・澤上篤人

投資の極意は「感謝のこころ」

「投資だの株だのなんて、お金を動かすだけで何も実体を生み出さない、あぶく銭を儲けたい人がするギャンブルだ!」

・・・なんて思っている人、そこのあなた!ぜひこれを読んでほしい!

こりゃー衝撃だ。だって、これを書いてる私自身が、冒頭のような「投資=実体のない空虚なもの」と思い込んでいた一人だから。久々に、後頭部をハンマーで殴打されたような衝撃を味わったよ、こりゃ。後頭部をハンマーで殴打されたことないけど。

日本一の投資家竹田和平氏と、さわかみ投信の代表取締役澤上篤人氏の、世界への愛に溢れた対談集。

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私と同じくらい経済に疎い人のために無理を承知であえて説明すると、株式会社ってのは、投資家から資金を集めて、集まったお金で事業をやって、儲かればその分を投資家に還元する。損をすれば、投資家も損をする。この資金集めの単位が株。投資家が100円で株を買って、その会社が成長すると、例えば株の値打ちが110円になる。この10円が、投資家の儲けになるのだ。
============

株価の上下に目を光らせて、安くなったら買って、高くなったら売って、っていうのは自分には縁のない話だと思っており、この手の話題にはてんで興味が無かった。

・・・が、これを読んで考えが変わった。

株価が下がったときに投資するのは、その会社にお金を差し出して社会のためにがんばってもらうことだ、なんて話が出てくると、自分の考えがいかに浅はかだったかが分かる。

元々の投資ってのは、「これからがんばって日本を、世界をよくしてくれる人たちのために、軍資金を提供してあげる」ようなことなんだな、という実は当たり前のことに気付かせてくれる。でも、こんな基本的なことも、日々のやれ株価が上がったの下がったのなんてニュースを見ているとうんざりして見失ってしまう。

ということで、投資ってのは実に人間味にあふれた行為なんだな、って否が応でも思わされてしまった。実際、竹田和平氏は自らを「旦那」と呼ぶ。がんばる人の為に自分のお金を気前よく差し出す「旦那」なのだ。

繰り返しになるけれど、投資とか興味ないーとか思っている人にこそ読んでほしい。
・・・思わず、自分には縁がないと思っていた「経済・金融」なんてカテゴリを立ててしまった・・・。ちょっとかっこいい、ふふふ。

(ド素人なので、金融関連の記述内容に誤りあればご指摘を・・・。)


投資の極意は「感謝のこころ」/竹田和平・澤上篤人/PHP研究所
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