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「人と対話するコンピュータを創っています」古井貞熙

人と対話するコンピュータを創っています

東京工業大学大学院教授の著者による、「コンピュータによる音声認識」を扱った本。

人が音を認識する仕組みから始め、色々なことを知る必要があるのだが、どれも分かりやすく説明してくれていて非常に読みやすい。航空会社からスーツケースを受け取るために電話の音声認識システムとやり取りする一連のエピソードとか、楽しく読めてぐいぐい引きずり込まれる。音声認識なんて私はド素人なのだが、正直ここまですんなり読めるとは思わなかった。

こういう人を「頭がよい」と言うんだろうなー。別に、高度な研究をしているからということではない。何が言いたいかと言うと、難しいことを難しい言葉で説明するのは「頭がよい気になっている」人のやることで、本当に頭のよい人は、難しいことを簡単な言葉で説明する、ということ。大体、よく理解できていない人ほど難しい言葉を使いたがるよね。噛み砕いて説明できるのは、よく理解できている証拠であり、そして実は自分の知識に自信がある証拠。・・・ということで、非常に気持ちよく読めた。

それから、こんな記述もある意味で自信の表れと思う。

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20年前にある研究発表会で、「あなたの研究はいつゴールを迎えて失業することになりそうですか?」という質問を受けたことがあります。そのとき私は、「あと40年は失業しないと思います」と答えて、「ほー!?」という羨望と軽蔑の入り混じった、なんともいえない反応を受けました。20年たったので、あと20年です。現在の音声認識技術は、まだ道半ばです。
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なんとも気の長い話だが、今の各分野の発展も、こうした地道な努力の積み重ねで成り立ってるんだろうなー。自分が生きている間には完成しない建築に携わってる大工さんとかさ、地味かも知れないけど、かっこいいよね。
がんばろっと。


人と対話するコンピュータを創っています/古井貞熙/角川学芸出版
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「キッチンでたとえるパソコン用語」立山秀利

キッチンでたとえるパソコン用語

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メモリは調理台みたいなもの

ハードディスクって冷蔵庫みたいなもの

データは食材みたいなもの

・・・
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と、パソコン用語をキッチンにたとえていく解説していく試み。
タイトルに「ママと覚えよう!」と書いてあるので子供向けなのかも知れないが、全くの白紙の状態からこれ一冊でパソコンを理解するのはちょっと厳しいかも。

逆に、既にちょっと用語は知っているけどなんとなく理解し切れていない、くらいの方が読めば理解が深まるかも知れない。なお個人的にはこういう、例えなどで分かりやすくする試み自体が大好きなので読んでみたし、実際に楽しめた。

ところで、「ウイルスはゴキブリみたいなもの」「ファイアウォールはキッチンのドアみたいなもの」と例えているけど、どちらも元々の用語から、例えで分かりやすくしようとしたものだよね・・・。(ファイアウォール=防火壁)


キッチンでたとえるパソコン用語/立山秀利/ジャムハウス
ママと覚えよう!キッチンでたとえるパソコン用語

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「ナンパを科学する」坂口菊恵

ナンパを科学する

真面目に科学の本でも読もうという硬派な気持ちで書店の科学コーナーに向かうも、平積みの台に置かれた本書を目にし、ナンパな気持ちで手に取り、そして読み進めてみると予想に反して(?)、硬派な内容。

ナンパを始めとし、痴漢や、あるいは道を尋ねられるといったアプローチを、赤の他人から受けやすい女性とそうでない女性がいる。この差はどこにあるのか。
・・・という話題から、各種文献や実験に基づいた硬派な分析が始まる。いわゆる文化的な観点からの「男なんて」とか「女ってのは」といった先入観や思い込みは排除し、データに基づいて行われる客観的な展開は爽快である。

海外の研究からの引用も多いのだが、その中の一つフロリダ州立大学で行われた実験ってすごいなー。男女のサクラが「キャンパス内で見知らぬ異性をナンパして相手の反応を記録する」というもので、声を掛けたあとの台詞は3パターン。

1.「今晩、一緒にどこか行かない?」
2.「今晩、うちに来ない?」
3.「今晩、エッチしない?」

結果は本書を読んで頂くとして、その、なんてゆーかだね、科学の、生物の真理の追求という崇高な目的のもとにだね、見知らぬ異性に声を掛け、特に3番って、よーやるわ。
さあみなさんもこれを読んで街へ出て真理の追究を。(ってそういう本ではない。私が書くとこうもナンパになってしまう。)


ナンパを科学する/坂口菊恵/東京書籍
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「世界平和はナマコとともに」本川達雄

世界平和はナマコとともに

ナマコをつつくと、硬くなる。
それでもさらにつつくと、今度は柔らかく溶け出す。
それでも、さらに刺激すると、体の一部に穴が開いて、中から腸が飛び出してくる。

ぎえー、なんだそれは!気持ちが悪い!
完全に、エイリアンとかあの手の世界ではないか!

・・・と思ったら、どうやらこれはナマコが身を守る手段。ナマコが外的に食べられそうになったとき、
最初は硬くなって身を守り、
それでもしつこく食らいつかれたら、今度は柔らかくなって掴み所をなくし、
それでもダメなら、体から出した腸を相手に食べさせて、その隙に逃げる。ナマコの腸は、お酒によく合う日本三大珍味の一つ「このわた」で、これは外敵にとっても美味しいらしい。さすが三大珍味(?)。

と、こんな感じで、ナマコについて書かれた25篇のエッセイ。
本全体が4部構成で、ナマコ部は最初の100ページほどなのだが、されど100ページ、25篇である。
ひたすらナマコについてのみ書かれている。
そして、にも関わらず、軽妙な語り口でぐいぐい読ませる。話題が尽きない。ナマコに学ぶことも多々ある。(「ピンチになったら腸を出して逃げろ」は教訓ではないので注意。)

全編を通して筆者のナマコに対する愛情がひしひしと伝わってくる。
くる、のだが、最後の25篇目で告白されるのが、
「(ナマコは)実は私も好きではない」
えっ何事!と思えば、ここから綺麗に結論へと繋がっていく・・・。ここは読んでのお楽しみに。

仕事も学校も忘れてナマコにひたる、癒しの25篇。ぜひご堪能を。


「世界平和はナマコとともに」/本川達雄/阪急コミュニケーションズ
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